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食べ物の好き嫌いが多いと人間関係に悪影響も。好き嫌いの原因・心理とワガママ説を徹底解明



世論では、好き嫌いが多い=ワガママという説が浸透しています。

「食の好き嫌いがある」または「好き嫌いが多い」ことが、人間関係へ悪影響を与えることもしばしば。

そうした世の風潮があるために、子育てをするママたちの中には「私のしつけや教育が原因で、子どもの好き嫌いが多くなったら…」「せっかく作った料理もアレしか食べてくれない。うちの子、偏食かしら…」と子どもの将来を心配する方も多くいます。

「好き嫌いの原因や心理といったメカニズム」「好き嫌いによる影響範囲」にスポットを当て、まとめました。

目次  

好き嫌いの多い人は性格も自己中心的で人間関係にも出る?食べ物の好き嫌いは、いずれ人間の好き嫌いに?

多少の好き嫌いは誰にでもあるものかもしれません。
しかし、極端に苦手な食べ物や好き嫌いが多い人は、人の好き嫌いが激しいと見られがち。

というのも、好き嫌いが多く偏食のある人は嫌いな物を受け入れようとしない傾向にあるため、性格も自己中心的でワガママになりやすいのです。

「食べ物の好き嫌いぐらいで…」と思われるかもしれませんが、好き嫌いが多いまま成長していけば、将来、健康面や人間関係にも悪影響を及ぼすようになります。

好き嫌いが与える印象は「ワガママ」「育ちが悪い」「子どもっぽい」

なぜ、偏食のある人=ワガママと見られるのでしょうか。
たとえば、一緒に食事をした際、

・嫌いな食材を入れないように配慮を要求する
・嫌いな食材が出てきた時に、あからさまに嫌な顔をする
・嫌いな食材を食べる人を「ありえない」と文句・批判する
・嫌いな食材を料理から苦手な物を選り出す
・嫌いな食材を覚えておくよう要求する

といった行動を取られた場合、「なんてワガママな人」と思うでしょう。
こういった行動が多いと、「親が甘やかして育てた」とも受け取れかねないので、「育ちが悪い」「子どもっぽい」とレッテルを貼られる可能性があります。

周囲には負担。マイナスになってもプラスにはならない「好き嫌い」

食の好き嫌いが多い=「偏食」となれば、それだけ健康面にも影響が出るため、病気を誘発するリスクも高くなります。
また、好き嫌いが多くなるにつれ、周囲とも良好な人間関係が築きにくいため、社会性に欠けた人になりかねません。
男性からすれば「好き嫌いの多い女性と結婚したら、子どもにも悪い影響が出そうだから…」と、交際を断る人もいるでしょう。

もちろん、その逆もしかり。

好き嫌いの多い男性は、料理を作る女性にとっても負担が大きいもの。
「食べ物の好き嫌い」はそれ自体が悪いことではありませんが、プラスとなる事はありません。

やはり、「好き嫌いなく、美味しそうに食べる」という人の方が、より素敵な印象を受けるでしょう。

人によっては「育ちが悪い」とバッサリ

人と食事をすると相手の育ちがわかるといいます。

どんなにカッコよく見える相手でも、自分の好きな食事しか口にしない、または好きな食材だけつまみ食いをする偏食家だとしたら幻滅しませんか?
裕福な家柄でも食べ物の好き嫌いが多く、ワガママに育てられた人は、嫌いな物が出ると文句を言ったり、平気で食事を残したりするケースも珍しくありません。

こういう姿を目の当たりにすれば、「育ちが悪い人」と感じるでしょう。

「氏より育ち」とは、まさにこのこと。
どんな食事でもおいしそうに、残すことなく、きれいに食べる人は好印象を与えます。

 

「好き嫌いなく食べる」は日本独自のマナー?海外では好き嫌いが当たり前なのか

「好き嫌いなく食べる」は日本独自のマナー?海外では好き嫌いが当たり前なのか?
食育は食事・食卓のマナーを身につけるだけでなく、好き嫌いをなくすことも大きな目的です。

「好き嫌いなく食べる」という食育は、自分の好みでない物を受け入れるトレーニングにもなります。
世間一般に好き嫌いをなくすための食育は、海外より日本の方が厳しいと思われるかもしれません。

確かに、アメリカなどでは子どもに好きな物を選んで食べさせる傾向が強いようですが、それも家庭によってまちまち。
好き嫌いなく何でも食べられるようにしつけている家庭も少なくありません。
また、最近は子どもの肥満対策や健康を考えて、政府と学校が一丸となり、栄養士や心理学の専門家を交えて食育を行っている国も増えてきました。

ここでアメリカ、イギリス、フランスの学校における食育事情の一例を紹介します。
  • アメリカ・・・政府と学校が栄養教育、運動推進のプログラムを組み、野菜や果物を多く取るようにし肥満の改善にも努めています。
  • イギリス・・・子どもたちに健康な食生活や食の安全性の点から食の選択、料理方法などを教えるワークショップなどを多く提供。
  • フランス・・・グルメの国だけあって、楽しくおいしい食事をする機会を設け、小学生を対象にした「味覚の授業」を実施。
    五感をフルに使い、食事のマナーからテーブルコーディネートまで学びます。
    フランス・・・グルメの国だけあって、楽しくおいしい食事をする機会を設け、小学生を対象にした「味覚の授業」を実施。
    五感をフルに使い、食事のマナーからテーブルコーディネートまで学びます。
情報参照元:海外の食育の取り組みについて 農林水産省 近畿農政局

なぜ好き嫌いが起きる?子どもが好き嫌いをする主な原因は味覚・におい・心理の3つ

子どもの個性を伸ばす教育は大切ですが、アレルギーとは関係なく、あまりに苦手や好き嫌いの多い偏食は個性とは違います。
苦手な物や好き嫌いが極端に多いと、自己中心的な印象を与えやすいので、「幼少期に偏食を克服させたい」と思うママも多いでしょう。

でもその前に、なぜ子どもに好き嫌いがあるのか、原因を考えてみましょう。

子どもの好き嫌いの原因といわれるトップ3は、味覚・におい・心理的なものです。
では、これらの原因が好き嫌いとどう関わっているのか説明しましょう。

子どもはスーパーテイスター。味覚センサー「味蕾(みらい)」は大人の2~3倍

味覚センサー「味蕾(みらい)」は大人の2~3倍

人が味を感じるのは舌にある「味蕾(みらい)」と呼ばれる器官です。

生理学的に言われる好き嫌いの遺伝的要素は味蕾にあると言われており、味蕾はセンサーとして甘味・塩味・酸味・苦味・旨味の信号を脳に伝達し、味を識別します。
子どもは味蕾の数が大人の2~3倍あり、大人より味蕾の数が多いため、子どもの舌は甘味・塩味・酸味・苦味・うま味に鋭く、俗にいう「スーパーテイスター」。
とくに酸味、苦みに対して、子どもの舌は非常に敏感です。

ただし、子どもの時に多かった味蕾も、30代、40代になると半分以下に減っていきます。
子どもの頃、「苦い!」と感じた食べ物が、大人になって食べられるようになった経験があると思いますが、これは味蕾の数が減って味覚が変わったことと関係しています。

好き嫌いのきっかけ・原因は味覚だけじゃない。調理、食器、食材のにおいなど、子どもは嗅覚も敏感

子どもは味覚以外に食材、料理、食器のにおいに対しても敏感です。

たとえば、魚の生臭さなど食材や調理中のにおいが嫌で食べられない場合もあります。
時には食卓に並んだ食器のにおいがダメということも。

子どもは、においをかぎわけることで「この食品は大丈夫か」を察知するため、防衛本能が働き、それが好き嫌いとなって表れることも多いのです。

味覚と嗅覚の苦い経験(印象)と教育(しつけ)での我慢などが子どもの心理に影響し、好き嫌いの判断が形成される

子どもの好き嫌いの原因が味覚や嗅覚であっても、なんとか食べさせようと叱るママもいるでしょう。

しかし、子どもに厳しくしつけをして、好き嫌いが克服できるわけではありません。
好き嫌いをして親から怒られ、それがトラウマとなり、偏食が余計に強くなる可能性もあります。

その結果、子どもは初めて見る食品に興味を持つどころか、※1「ネオフォビア」(新奇恐怖)が生まれてしまうこともあるのです。

※1ネオフォビアとは
「ネオフォビア」(neophobia)とは、新奇恐怖、または新奇恐怖症という意味です。
「新奇恐怖」とは、新しく出会う人や物、場所などに対して、不安や恐怖・嫌悪感を抱くことを指します。
食における「ネオフォビア」は、はじめて見た食べ物を口にする前に恐怖感を覚え、人によっては吐き気・身体の震え・動悸・息切れなどが起きることもあります。
神経質な人は「ネオフォビア」になりやすいといわれますが、ネオフォビアの原因は性質や体質などの内的要因と、食事の環境やしつけなどによる外的要因の2つが考えられます。
外的要因で多いのは、親が子どもに強制的に嫌いな食べ物を食べさせようとしたり、食べないことを強く叱ったりした結果、子どもがつらい思いを募らせ、ネオフォビアを引き起こすケースです。

子どもが食べ物の好き嫌いをする原因は親だけじゃない

子どもの好き嫌いは親に責任があると世間では思われがちです。
しかし、親だけの問題で片づけられません。

親の食育、しつけだけが原因ではない

先に述べたとおり、子どもは舌で味覚を感じる「味蕾(みらい)」の数が大人の倍以上あるので「遺伝的・先天的な要因で好き嫌いが強く出る」ことがあります。

なかでも苦味と酸味が嫌いな子どもが多いのは、苦かったり、酸っぱかったりする食品は「毒物がある」「または腐っている」と感じ、防衛本能が働き拒絶するためです。

いずれ克服される好き嫌いもある

好き嫌いは子どもから大人に成長していく過程で、自然と解消されることもあります。

味覚の鈍化により、苦いと感じていた食品が後に苦く感じられなくなるため、コーヒー、ビールなどもその類と言えるでしょう。
また、同じ食材でもおいしい物を口にしたり、楽しい雰囲気の中で食事をしたりすると、自然と偏食が克服できる場合もあります。

諦めてはそのまま。子どもの好き嫌い克服方法とは

好き嫌いを克服するためには、大人が子どもの気持ちに寄り添うことが大事です。

ここでは食材選びに着目した方法を紹介しますが、より具体的で詳しい方法を「06.好き嫌い 克服」のページで取り上げていますので、そちらも一緒にご覧ください。