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食の安全とは?食の安全を守るための課題・問題点と対策

近年、食品の産地・消費期限表示の偽装問題に加え、放射性物質・農薬・添加物の検査・管理基準についてなど、震災の影響もきっかけとなり、「食の安全」に対する関心が年々高まっています。

日本の食を取り巻く環境が変化している中で、食品の表示内容や安全基準などについて懐疑的になっている方も多いのではないでしょうか。
ご家庭の「食」を守るために、食の安全として「消費者が何を知ればよいのか?」「自分たちでできる対策は何か?」をまとめました。

そもそも食の安全とは?

食の安全が強く問われるようになったのは、食にまつわる事故や問題が発端!?

私たちが毎日、口から入れる食品は命を支える大切な栄養源。「食の安全性が命を守る」といわれているように、安全性が高く、安心できる食べ物こそが健康な体をつくる源にもなります。

それだけに食の安全を覆すような事件や事故が起きると、大きな社会問題に発展していきます。

50年代に起きた公害問題

戦後、日本が復興していく中で公害が起き、食に関する問題の中でもイタイイタイ病や水俣病などは、海外にまでその名が知られるほど有名な公害病の代表格。

いずれも毒性の強い重金属を含んだ工場排水が川や海に流出された結果、食物連鎖により周囲の農作物や飲料水、魚などに悪影響が及び、それらを食べた人たちが健康被害を受けました。

高度成長期以降、顕著になってきた食の偽装問題

高度成長期に入ると食の偽装問題も顕著になり、消費者を守るために1968年に消費者保護法が制定され、1970年には消費者生活センターが開設されます。
1990年に入るとO157食中毒事件が幼稚園や学校の給食で起こり、死者まで出すほどの被害に。

2000年には、すべての飲食料品に品質表示が義務化され、生鮮食品に関しては原産地の表示も義務付けられました。
しかし、2001年に狂牛病(BSE)が国内で起きると、輸入牛を国産品と表示するなど、牛肉の産地偽装事件が発生。食の安全は揺らいでいくようになります。

東日本大震災で福島第一原発の放射能問題

2011年3月には東大日本大震災が起き、福島第一原子力発電所の事故で、放射能汚染によって東北、関東周辺で生産、収穫された生鮮食品は大きなダメージを受けることになりました。

国産品の安全神話が崩れた結果、食品中の放射性物質の規制が商品衛生法のもとで行われました。
食の自給率が約40%と半数以上を輸入品に頼る日本において、食の安全に対する国民の意識が以前より増して高まってきたのです。
情報参照元:食の安全 Wikipedia

食の安全に関する課題は「食品事故・食中毒」「輸入品関連」「栽培・農法」「加工食品」などさまざま

このように時代の変遷とともに、食にまつわる問題も「公害」から「食の偽装」「放射能汚染」と少しずつ様変わりをしています。
食の安全に関する問題を4つの懸念に分けて紹介していきます。

【懸念1】事件・事故に関する問題「食品事故・食中毒」

1)メチル水銀汚染による水俣病

水俣病が公式確認されたのは1956年。
1942年頃から原因不明の奇病が熊本県、水俣湾の周辺で起きていました。

工場から流出されたメチル水銀が水俣湾を汚染し、水域に生息する魚介類の体内にメチル水銀が蓄積され、食物連鎖により水揚げされた魚介類を食べた人たちに、手足の震え・言語障害・知覚障害などが起き、命を失う人も多数出ました。
胎児にも影響が及ぶ、胎児性水俣病も確認されました。

1960年には新潟県阿賀野川流域でも、同じ原因物質により水俣病が起きています。

水俣病患者への補償と環境保全
水俣病は健康被害・環境汚染・被害者に対する差別が要因となり、大きな社会問題になりました。
被害者の補償問題は今も収束したわけではなく、高齢化も進み、医療・福祉面のケアも求められています。

水俣の汚染された地域は埋め立てられ、魚介類の安全性も確認されているようです。
また、国は水銀製品の使用を「健康被害の高い物の使用を禁止」「含有量を制限」と規制しました。

水産物の安全性をできる限り確認
2005年に厚生労働省は「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」を改定し、妊婦さんに摂食指導を行うなど、魚介類に含まれる水銀対策にも力を注いでいます。
魚介類に含まれる有害な化学物資は水銀以外にも、ダイオキシン、ヒ素、カドミウム、ヒスタミンなどがあります。

天然の魚介類を購入する場合は、水質汚染・放射能汚染などに注意して選ぶことが大切です。
また、養殖の魚介類(特に外国産など)はエサにダイオキシンやPCBが混入している物もあり、高濃度のダイオキシンが検出されるケースもあります。
国の安全基準を満たしている水産物でも、外国産の魚介類は安全を確認する必要があるでしょう。

2)中国製冷凍食品による農薬中毒事件

2007年、中国産の冷凍ギョーザを食べた人たちが下痢や嘔吐などの中毒症状を訴えました。
残っていたギョーザや被害者の吐物から高濃度の農薬、メタミドホスなどが検出。中国の製造元の元従業員が会社に対する不満を理由に、農薬を故意にギョーザの中に混入させたことが判明。

これにより日本では農薬登録されていない物質でも、海外では使用を認めている国があることが認知されました。

中毒事件発覚後、被害の拡大を防止する対策を実施
中国産冷凍ギョーザ事件を受け、すぐにテレビ、ラジオなどの報道を通し、問題となった冷凍食品を食べないように呼びかけました。
また、該当する製造元の商品を輸入、販売することに自粛を求め、製品の回収や自主検査を要請し、事件後には食の安全対策として、国は食品衛生法に基づく報告の順守を徹底しました。

医師→保健所所長→都道府県知事など→厚生労働大臣へ速やかな報告を行うように体制を整備し、食品衛生法第73条、第17条を改正し「輸入食品に起因する場合」「重篤患者が発生した場合」「化学物質に起因する場合」を追加しました。
関係者間での情報共有に加え、被害者の健康相談など、管轄の保健所が適切な対応を行うことが課題になっています。
情報参照元:中国冷凍餃子を原因とする薬物中毒事案について -行政及び事業者等の対応の検証と改善策- 平成20年7月 厚生労働省食品安全部

中国産の食品に対する懸念
冷凍ギョーザ事件は故意に農薬が混入された例でしたが、以来、中国産の食品に不安感を抱く人は増加しました。
現在、輸入食品はモニタリング検査を行い、日本の食品衛生法に適合しない限り、販売は認められていませんが、輸入品の検査は抜き打ちで全体の1割程度となっています。
「中国産は農薬が多い」「土壌が汚染されている」「検疫もうまくすり抜けているのではないか」など、様々な情報が飛びかい、中国産の食品に対する不信感も高まっています。

すべての中国産に問題があるわけではないですが、安全第一の信頼できる業者から購入するなど、消費者が個人的に対策を講じるきっかけにもなりました。

【懸念2】輸入品に関する問題
「鳥インフルエンザ、牛海綿状脳症(BSE、狂牛病)、遺伝子組み換え」

1)鳥インフルエンザとは?

鳥インフルエンザはA型インフルエンザウイルスが鳥に感染して起きる感染症です。

日本で鳥インフルエンザが最初に起きたのは、2004年1月山口県で、養鶏場の6000羽が死亡した例とされています。
同年2月には、京都の養鶏場で初期の対応が不十分であったため13万羽が死亡。
ニワトリ、七面鳥、ウズラなど家禽(かきん)の鳥が鳥インフルエンザウイルスに感染すると、高い病原性をもたらし、鳥同士で感染が大きく広がる恐れがあるため、養鶏業者にとって大変な脅威となりました。

感染力の強い鳥インフルエンザは、鳥から人間に感染する力は低いようですが、中国やインドネシアなど東南アジアでは鳥インフルエンザに人間が感染し、高熱、肺炎を起こし死者も出ています。
2004年1月にはWHO(世界保健機構)、FAO(国連食糧農業機関)、OIE(国際獣疫事務局)が共同声明を発表。
アジアで発症した「鳥インフルエンザが世界的な流行を引き起こし、非常に危険な人間の伝染病に変異する可能性がある」としています。

鳥インフルエンザの発生に備え、人への感染対策も
鳥インフルエンザは当初、鳥対策がメインでしたが、2005年から人への感染も視野に入れ、対策が取られました。
新型鳥インフルエンザが起きた場合、日本国内だけで3200万人が感染すると予測されています。

鳥インフルエンザ対策として、各自治体でも行動計画が作られていますが、「爆発的な規模で感染が広がるパンデミックには対応しきれないのでは?」といった見方もあるようで、医療機関との連携を図りながら対策を講じていくことが課題に思われます。

鳥インフルエンザによる鶏卵、鶏肉の安全性は?
以前、鳥インフルエンザの発生農場で生産された鶏卵、鶏肉が一部流通した時に、該当業者は自主回収を行いました。
こうした取り組みが、かえって鶏肉や鶏卵の不信感を招く原因に。
今のところ、鳥インフルエンザウイルスは、食品を介して人に感染する可能性は低いとされています。

これは鳥インフルエンザウイルスが熱に弱い性質を持っているためで、鶏肉や鶏卵を食べる際、適切な加熱処理(すべての部分を70℃以上で調理)を行えば死滅するようです。
情報参照元:高原性鳥インフルエンザは食を介して人に感染するのですか。 食品安全委員会 内閣府

2)牛海綿状脳症(BSE、狂牛病)とは?

「牛海線状脳症(BSE)」は、一般的に「狂牛病」と呼ばれています。
牛がBSEブリオンと呼ばれる病原体によって起きる感染症で、牛の脳の組織がスポンジ状に変化し、麻痺や異常行動を起こし、死亡することもあります。

主な原因は、BSEに感染した牛の脳や脊髄を原料とするエサを他の牛に与えたことによるもの。
1986年にイギリスでBSEの牛が確認されました。
日本では2001年に千葉県内で飼育されていた牛に「BSEの疑いがある」と農林水産省から発表されました。

アメリカで起きたBSE問題を機に日本は2005年末まで米国産牛肉の輸入を禁止
日本でBSEが発生後、食の安全のために、国内の牛に全頭検査が開始されるようになります。
さらに2003年にアメリカでもBSE問題が起こり、農林水産省は米国産牛肉の輸入を禁止(2005年末まで)。
これに伴い、外食メーカーの中には牛丼の販売を中止する動きも出ました。
2004年から日本は牛肉の生産者、生産地、輸送ルートや加工過程などの履歴がわかる「トレーサビリティ制度」を導入します。

また、国内外でも牛の脳や脊髄をエサに混ぜないなどの規制がされ、結果的に狂牛病の牛は激減しました。
日本では2003年以降に出生した牛から、BSEの発症は今のところ確認されていません。
情報参照元:牛海線状脳症 Wikipedia

BSE対策の見直しで外国産牛肉の安全性は?
2005年に日本はアメリカからの牛肉に対し「月齢20か月未満」「危険部位の除去」などの条件を付けて輸入を再開。
当初のBSE対策実施から10年以上経過したこと、BSEのリスクが国内外とも低下したことを受け、厚生労働省はBSE対策の見直しを行い、2013年には牛の月齢を30か月まで緩和しています。
さらにアメリカは月齢規制の撤廃を求めています。

現在、BSE問題は落ち着いています。
米国産牛肉はスーパーでも出回っており、国産に比べ値段が安いのが特徴です。

BSEや衛生上の問題はないとしていても、アメリカでは短期で牛を成長させるために、日本や欧米で禁止されているホルモン剤投与が行われています。
その影響で、女性ホルモンの一種、エストロゲンは国産牛肉と比べ、約600倍の残留が検出。

エストロゲンは外部からの摂取により、発がん性のリスクを高めるといった声も聞かれます。「エストロゲンが多く含まれた牛肉を食べたからガンになる」と言い切れるものでもないですが、長い目で見れば、ホルモン剤が使われていない、国産牛肉を食べた方がより安全といえそうです。
情報参照元:米国産牛肉Wikipedia

3 )遺伝子組み換えとは?

「遺伝子組み換え」は、ある生物の遺伝子を他の生物の遺伝子に人工的に組み換えること。
遺伝子組み換えによって、害虫やウイルスに強い農作物ができたり、生産性の向上を図れたりします。
また、最近の遺伝子組み換えでは、特定の成分だけ含有量を高めたり、乾燥や塩害などに強い作物を生産できたり、新たな開発も進んでいます。

日本で遺伝子組み換えが認められているのは、大豆、なたね、じゃがいも、とうもろこし、てんさい、アルファルハ、パパイヤといった食品8品目。そして、α-アミラーゼ、リパーゼ、プルナラーゼなど添加物7種類です。

遺伝子組み換え食品はアレルギーの発症と関係ある?
遺伝子組み換え食品に関する事で、聞かれるのは「食べたらアレルギーにならないか?」という声。
厚生労働省では遺伝子組み換え食品の安全性を調査し、それに関連した研究も進めています。

現在、輸入の遺伝子組み換え食品に関しても、組み込んだ遺伝子から生成されるタンパク質にアレルギー原因と見られる物は市場に出回らないシステムが取られています。
情報参照元:遺伝子組み換え食品の安全性について 厚生労働省医薬品食品局食品安全部

遺伝子組み換えの原材料が5%以下であれば表示義務はない
遺伝子組み換えの原材料を使用する際には表示が義務づけられていますが、5%以下の混入は表示義務がありません。
つまり、私たちは知らない間に、「遺伝子組み換え食品」を食べていることもあるわけです。

中でもその代表例がトウモロコシです。トウモロコシは飼料に使われることも多いため、それで育った家畜から鶏肉、豚肉、牛肉として、また牛乳や乳製品として市場に出ている物も。
遺伝子組み換え食品の多いアメリカでは、がん、アレルギーなどの疾患の割合が急増していて、「遺伝子組み換え食品と病気の因果関係があるのではないか?」と見る動きもあります。

現時点で遺伝子組み換え食品のデメリットは立証されていませんが、健康面での安心を得るには、「遺伝子組み換えの食品」を多く摂取することは避けた方がよいように思われます。

【懸念3】栽培・農法に関する問題「農法(農薬)・放射性物質」

野菜・果物の栽培方法は、大きく「有機栽培」「無農薬栽培」「無機栽培」の3つに分けられます。

1)栽培・農法(農薬)による違い

有機栽培・・・農薬を極力抑えて使用し栽培する方法
無農薬栽培・・・栽培期間中、農薬を使わずに栽培する方法
無機栽培(慣行栽培)・・・農薬を使って栽培する方法

農作物の栽培で懸念されるのが農薬です。
農薬を使用しない、または極力使用せずに生産する有機栽培や無農薬栽培に注目が集まるようになりました。
有機栽培やオーガニックと呼べる野菜や果物は、有機JAS規格に通った物だけ。
有機野菜を購入する際は、「有機JAS」マークが表示されていることを確認しましょう。

詳しい内容に関しては、 有機野菜(オーガニック野菜)・無機栽培・無農薬栽培・減農薬栽培の意味(定義)と違い。本当に体にも環境にも良いものとは? のページをご覧ください。

国産であれば農薬を使った無機栽培の野菜は安全なの?
日本で農薬の使用は人体の安全性に十分配慮された、毒性がないと認められた物だけ。

ですから、極度に農薬を使った野菜に恐怖感や不安感を抱く必要はありません。

しかし、野菜を自然に健康な状態で育てるために、有機栽培や無農薬栽培が行われているという事実があることも知っておきましょう。

・外国産の野菜は本当に信頼できる?
日本が認めていない農薬を海外で認めているケースもあります。
アメリカで認められている「ポストハーベスト」は、収穫後の野菜、果物に農薬を使用するため、国産では禁止されています。

こうした対応も「外国産は農薬が心配だから」という不安の声が挙がる原因になるひとつでしょう。

輸入の農作物に厳しい基準を設け、検査に合格した物だけを流通するような仕組みになっているので、安全とはいうものの、すべての品物を検査しているわけではありません。
気になる方は、できるだけ安全性の高い国産品を選んだ方がよいでしょう。

2)東日本大震災で注目度が高まった放射性物質

食品の放射能汚染が強く懸念されるようになったのは、東日本大震災における福島第一原発事故です。
周辺の水域、土壌が放射能に汚染されたことを受け、内部被爆の問題が出てきました。
内部被爆とは、放射能に汚染された空気、水、食品によって、放射性物質が体内に一定期間とどまり、被爆することです。
放射能は、ある種の原子が自ら放射線を出し、別の種類の原子に変わる性質を指します。自然界にもカリウム403など、放射性物質は存在しているので、これらを含んだ食品を食べれば、知らぬ間に内部被爆したことになります。

しかし、自然界の放射性物質は微量であるために基本的に無害という見方があるようです。
原子力の放射性物質が怖いのは、セシウム137、134のように、空気中の塵に付着し、遠くまで飛んでいく可能性がある物。ヨウ素131やストロンチウム90などは、体内の特定部位で濃縮される恐れもあります。

福島第一原発事故以降、食品の規定値を設定
福島第一原発事故後、原子力災害対策特別措置法に基づき、食品中の放射性物質の規制を設けられ、国は食品の摂取制限、出荷制限を行いました。しかし、ここでの設定値はあくまでも暫定的、緊急事態に備えたもの。

規制値に適合した食品は健康に害がないとされ、2012年4月から現行の基準値を設定。放射性セシウムは年間線量5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに引き下げられました。
情報参照元:食品衛生上の基準値 食品の基準値の設定について(1) 厚生労働省

放射能汚染に対して家庭でも可能な対策とは?
東日本大震災が5年以上の時間が経過し、食にまつわる放射能汚染問題も以前ほど騒がれなくなりました。
それでも「国の安全基準を満たした食品であっても、事故の教訓を生かし、放射線量の低い物を選びたい」という消費者の声が聞かれます。
生鮮食材を使う時は、しっかり水で洗うといった対策もあります。

特に葉物野菜は水洗いした後、2時間程度、水に浸けておいたり、50℃のお湯に10秒浸けるだけでも効果があるそうです。
魚は内臓、骨を取り除き、よく洗ってから調理するようにしましょう。
また、食品を生で食べるよりは、煮る、茹でる、揚げるといった調理法で放射能から体を守ることにつながります。

【懸念4】加工食品に関する問題「産地・食品添加物」

1)産地表示の義務化の原因は輸入食品の増加にあり

加工食品に産地表示が義務付けられたのは2012年。
加工食品に使われる原料のグローバル化が進んだことが大きく影響しています。

過去に起きた冷凍ギョーザ事件、放射能汚染問題なども背景にあり、食品の品質面で「国内産か外国産か」「国内産はどこが良いのか」など、消費者の関心は一段と高まっています。

産地を知ることは食の安全の第1歩
農産物、水産物、畜産物などの加工品で産地の表示が義務づけられている加工食品は全体の1~2割。この割合を上げる意味でも、「原料原産地表示制度」の見直しが検討されています。

「ハム」を例に上げれば、現行のルールでは原産地を表示しなくてもOK。
食の安全面を考えれば、今以上に多くの加工食品に表示義務がなされ、産地がどこの物なのか?は知っておきたいところです。

「すべての加工食品に表示義務」は混乱になる!?
加工食品の表示義務化を促進させることは、消費者の安心を買う意味でも歓迎される動きがある反面、混乱も懸念されています。
TPP(環太平洋連携協定)の容認により、表示義務の促進は国内の生産者を守ることにもつながるといった政府の見方があるようです。「国産」と表示された物であれば、安心して選ぶ消費者が多いのではないかということでしょうか。

加工食品の中には原料が外国産で、製造が国内というケースもあります。
この場合、「国内製造」と表示されても、「原料の産地を隠している?」「産地偽装ではないか?」の疑いが残ります。

加工食品の表示義務制度が見直され、今以上に表示される品目が増えても、消費者目線に立った、役立つ情報であることが重要課題です。

2)食品添加物の使用は保存目的が始まり

「食品添加物」と聞けば、「何か体に悪そう」と思う人もいるでしょう。実は小麦粉や砂糖も添加物の一種。食品添加物の始まりは、食品保存が1番の目的でした。

ところが、食生活が豊かになるにつれ、見た目のおいしさ、保存性の向上を図るために使われることも増えてきました。近年は安く大量に製造するために、添加物の多い外国産もさかんに出回るようになったのです。

食品添加物は時代の流れとともに変わってきた
日本は1947年に食品衛生法が公布され、諸外国に先駆けて、「食品添加物」は国が認可した物以外、使用できないと決められています。
しかし、認可された食品添加物は、科学の発展や法の規制によって、時代とともに少しずつ変わってきました。
中には科学的な評価を行った結果、安全性の面で使用禁止となった食品添加物もあります。

添加物まみれの既製品や加工品の安全性は?
既成の食品には賞味期限を長く保つために、さまざまな添加物を入れている物も少なくありません。国が認めた添加物であれば体に害はないといえども、昔に比べてアレルギー症状や生活習慣病の患者が増えているのは、現代の食生活とも密接な関係があるのかもしれません。

毎日、できあいのお弁当で不安でいる方、添加物の多い食品を食べ続けることは控えた方がよさそうです。
成長段階の子どもをもつご家庭は、今、食べている物が10年後、20年後、大人になる体を作ることを意識しましょう。

正しい知識で食品を選ぶ・食品表示を見る際には対応姿勢を確認

「食の安全」を強く求める人たちが増えている背景に、日本の食料自給率が低下していること。また、東日本大震災がきっかけとなり、国産の食品に対する不信感が出てきたことが考えられます。
食料自給率に関しては2010年以降、39%が続いている状態。

2000年以降、国は「食料自給率50%」を目指して、5年ごとに計画を作り試行錯誤を繰り返していますが、その成果はまだ表れていない模様。商品によっては「国産品が入手しづらく高い」という物もあるため、国産品のよさ、安全性を知っていても、すべての食品を安心できる国産品でとなると、難しい状況にあるのも事実です。